【前回記事を読む】帰宅すると机に離婚届が…それから妻が家に帰ってこなくなった。妻の実家なのに…ひと月後、ある連絡から妻の居場所が判明し…
結婚することへの責任と代償
愛は2DKのマンションで一人暮らしをしており、真奈美は中に招かれた。
その日、愛はたまたま休みであったが瞳はちょうど仕事に出ていた。そこで愛は我慢しきれず真奈美に電話したようだ。
真奈美は部屋へ入るとすぐ愛に頭を下げた。
「愛ちゃんありがとう。それと連絡してくれてありがとう。大分、困らせてしまっちゃったね」
「いえ、そんなことはありません。気にしないでください。というか瞳、一人になると、私のせいで私のせいでばかり連呼してるんです。私が何があったのか聞いても部屋が見つかり次第出ていくからとそればかりで……何かあったんですか? 瞳あんなに結婚決まって喜んでいたのにどうしたのかなぁと思って」
愛は泣きそうな顔で真奈美に言った。
真奈美は愛に事の成り行きを説明し、昼の休み時間を狙い瞳の職場へ行くことにした。
しかし携帯につながらないこともあり、瞳の職場に直接連絡し、ランチをする約束をした。
時間になりお店に入ってきた瞳は気まずそうに目線をそらせながら真奈美の向かいの席に座った。
「瞳ちゃーん久しぶり。ママいきなり出て行ってすごーく心配してたよー」
真奈美は笑顔を絶やさず瞳に話し掛けた。
「ママ……ごめんね……私……一人で考え続けているうちにどうしていいかわからなくなっちゃって……英君見てたらどこか元気なくて無理して頑張って私と話しているのがわかってた。それ見ているうちに耐えられなくなって離婚届けを書いて家を飛び出してた。私、自分から結婚生活を放棄してた。英君を裏切った。妻になること……家に戻る資格ないよね……」
「……あなたの結婚に対する覚悟はそんな容易なものだったの。予想外のことが起きたぐらいで簡単にぐらつくようなものなの? それって私から言うと小さい子のお母さんごっこと一緒よ。自分の思い通りにならなかったらそれでおしまい。また明日から違うシチュエーションでやり直しみたいな感じね」
突然、瞳が真奈美を睨みつけ立ち上がった。
「ママに何がわかるのよ。私の気持ちなんて何一つわかってないじゃない!」
周りのお客さんも静まり返った。真奈美は店員に詫びながらも瞳に話を続けた。