「そろそろ刑事白鳥の番組が始まる時間だな」
郁三が立ち上がろうとした瞬間、
「おじいちゃん……そう思って録画してるから安心して座ってて……」
瞳は空気読めよとばかりに、まばたきもせず郁三のことをジーッと見ていた。郁三もしまったと冷や汗をかきつつ瞳の郁三を見つめるあまりにもの目の大きさに恐れ入るかのように座り直した。
「先生も毎週見てらっしゃるんですか、刑事白鳥! なかなかおもしろいですよね!」
英介が興味津々に郁三に話し掛けた。
「何だ英介も見ておるのか。白鳥という刑事はたいした度胸の男だよなー。先週見たかー。先週の白鳥は人質と犯人のいる海辺の倉庫に到着し中に入ろうとしたが真っ暗なもんだから自分の持っているライトを照らそうとした。しかし、電池が切れてしまった。そこで精神統一し暗闇の中をライト無しに一歩また一歩前進し進んでいった。と思うといきなり犯人からの攻撃。すかさずかわし一発KO。たいしたもんだなー」
「ドラマよドラマ。暗闇の中なんて本当に歩いたりしたらどこかでずっこけてしまい逆に攻撃され袋叩きよ。……ていうか英君とおじいちゃんは先生と生徒の関係なわけ?」
瞳は話の影響を受けてしまったのか刑事の取り調べのように郁三と英介にヒアリングしてマジックで関係図を書くのであった。
「そうなんだよ……瞳ちゃん」
英介は郁三と思いがけない二度目の再会となり、うれしさとなつかしさのあまり子供のように目を輝かせ話し出した。
「瞳ちゃんのおじいちゃんは僕が小学校四年生の時の担任の先生なんだよ。先生には本当お世話になった。両親が事故で亡くなってから母の妹である親戚の叔母さん夫婦に引き取られるまでだと思っていたんだけど、先日おばさんから聞かされ初めて知って驚いた。