■十四条前段(平等権)、十四条後段(差別されない権利)
前段「すべて国民は、法の下に平等であつて」は、木村・憲法(181から182頁)によれば、平等原則と平等権を保障している。平等原則とは、全ての国民を等しく扱うことが原則で、異なる扱いをする場合には合理的な理由が必要だとする原則を指し、平等権とは、この原則から導かれる権利で、他の国民と等しく扱われ、合理的な根拠のない区別をされない権利とのこと。
そして、合理性の判断基準は、①区別の目的が正当で、②区別と目的との間に合理的関連性があること。
平等権の行使は、差別されない権利を侵害する可能性がある。
例えば、各世帯に、世帯の人数と収入レベルを考慮せず、非課税で定額の家計応援給付をするような場合、世帯当たりの人数が多く収入の少ない世帯に対する差別、つまり、家計応援を掲げる一方で各世帯一人当たりの収入を軽視あるいは無視し(一人当たりの収入の少ない世帯を劣位に置き)、世帯毎の家計応援の必要性の観点での配慮がない、
言い換えれば、一人当たりの収入が一定額を超える世帯に対しては給付しないといった工夫がない(一人当たりの収入の少ない世帯が相対的に不利益を被る)のは、平等権の観点では許容範囲かもしれないが、差別されない権利の観点では(一般人の目から見て)差別と考えられる。
なぜ、今の例のように、本来差別をなくすと思われる平等が、差別を引き起こすのか。
それは、平等原則(全ての国民を等しく扱うことが原則で、異なる扱いをする場合には合理的な理由が必要だとする原則)を、国家行為全般に適用してしまうと、不具合が出てしまうから。ポイントは、国家による国民の扱いは、自由権(防御権と特定行為排除権)と請求権のどちらに係るかによって異なってくることにある。
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