CLT(コミュニカティブ・ランゲージ・ティーチング)
CLT(Communicative Language Teaching,コミュニカティブ・ランゲージ・ティーチング)は、世界的には1970年代から始まり、1990年代にかけて広く普及した外国語教育の指導法です。
このアプローチの最大の特徴は、学習者が実際のコミュニケーション場面で使える言語能力を身につけることを目指し、意味のあるやり取りを通じて、実践的なコミュニケーション能力を養成する点にあります。
それまで主流だった文法訳読法(Grammar-Translation Method)やオーラル・アプローチ(Oral Approach)とは異なり、CLTは「言語はコミュニケーションのためのツールである」という考え方に基づき、伝えたい意味をどう伝えるかに重点を置いています。
CLTの導入により、学習者は単に文法知識を暗記するのではなく、自らの言語知識を駆使し、相手と意味をやり取りしながら実際に伝え合う経験を積むことができます。
このため、授業ではロールプレイやインフォメーションギャップ活動、グループディスカッションなど、意味交渉を伴う活動が重視されます。
学習者同士が互いに異なる情報を持ち、それを交換しながらタスクを達成する中で、自然とコミュニケーション能力が育まれていきます。
理論的な背景としては、カナルとスウェイン(Canale & Swain,1980)が提唱した「コミュニケーション能力(communicative competence)」の4つの要素に基づいています。
1つ目は、文法規則や語彙、発音など形式的な知識を表す文法的能力(Grammatical Competence)です。
2つ目に、文と文を論理的につなげ、まとまりのある会話や文章を構築する能力である談話能力(Discourse Competence)が挙げられ、3つ目として、場面や社会的文脈に応じて適切な表現を使い分ける社会言語学的能力(Sociolinguistic Competence)、そして、4つ目にコミュニケーション中に誤解や困難が生じた際、伝えたい意味を補ったり修正したりするストラテジー能力(Strategic Competence)が挙げられています。
これら4つの能力がバランスよく発達することで、学習者は単なる文法知識の習得にとどまらず、実際の状況に応じた柔軟な言語運用が可能となります。
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