素直に思った。
羨ましい、という感情は体力を使う。無意識に少しずつ。
帰宅後、何もしたくなかった。
ログも書きたくない。数値も見たくない。薬も見たくない。
これが闘病疲れ、と思った。
昼、母が気づいた。
「静かだね」
「省エネモード」
「違うね」
「違いますか?」
「落ち込みモード」
見抜かれた。
「こういう日もある」
「便利ワード」
「経験ワード」
母は湯のみを置いた。
「介護でもね、あるの」
「何が」
「全部嫌になる日」
「プロでも?」
「プロだから」
それは説得力があった。
午後、何もしないと決めた。
これも技術だ。無理に前向きにならない。やる気を捏造しない。回復ごっこをしない。
ただ休む。だが休み方にもコツがいる。
闘病中の休息は、罪悪感がついてくる。
夕方、ログ仲間からメッセージ。
今日はダメ日
同時だった。
こっちも
シンクロ
少し笑った。
人は、同時に落ちると救われる。孤独じゃないから。
夜、主治医のオンライン面談日だった(月1)。
「元気ないですね」
開口一番だった。
「分かります?」
「顔色と声」
「便利な職業ですね」
「長く見てますから」
私は正直に言った。
「疲れました」
「正常です」
また来た。
「数値だけ見てると、持ちません」
主治医が言った。
「え」
「長期患者あるあるです」
「対策は?」
「評価軸を増やす」
「数値以外?」
「はい」
ホワイトボードを使って説明してくれた。
【評価軸を3つ持つ】
①医療数値
②生活継続度
③楽しさ・満足度
「①だけだと折れます」
「確かに」
「②と③で支える」
これは重要だった。
「最近、楽しいことしました?」
「減塩カレーで喧嘩しました」
「それはイベント」
「楽しくはない」
「別の」
考えた。出てこなかった。
それが答えだった。
次回更新は7月6日(月)、16時30分の予定です。
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