日参し押し問答のすえ、ようやくアメリカ本社の担当者につながった。

ポチ、ポチ、ポチ。夜中や早朝、辞書と首っ引きでパソコンに向かってメールを打つ。十個の問いに対して答えが返ってくるのはよくて三個。すげない。

「答えられない」という答えを何度受け取ったことだろう。それでも輪郭はつかめた、と角田は思った。

が、つかんだのは象の尻尾だけで、全体像は全く違う絵姿だと思い知らされたのは、株主総会当日のことだった。

コンドル社はアクティビスト=物言う株主の顔も持つ。保有している株式の価値向上を求めて経営側に改革案を提出する。恐らく経営権の取得は目指していない。

ただし、株主総会では改革案と役員刷新案を提案するのは必至だ。どちらが株主の委任状を多く集めるかを競い合うプロキシーファイトにまでは至らないと想定される。

 

プロキシーファイトは、委任状=プロキシー=争奪戦のこと。

株主総会で経営陣と大株主が対立して異なる議案を提出した際、自らの議案に賛成する株主の票を奪い合う。株主に議決権行使を託してもらうために、代理権を証明する委任状を集め合う。

 

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