第1章 二〇一九年二月八日付け医事課長通知
「医師による異状死体の届出の徹底について」の衝撃と誤解の解消

(1)医師法第21条の解釈は従来通り変わらず

三月十三日衆議院厚労委員会で医師法第21条の従来解釈を確認

二月八日付けの医事課長通知による混乱の収拾策につき、我々は協議を重ねたが、これらの経緯を、振り返ってみたい。

二〇一九年(平成三十一年)三月十三日の衆議院厚労委員会で、橋本岳議員の質問により、今回の医事課長通知が従来の厚労省見解通りであることが確認された。その応答を振り返ってみる。

橋本岳議員質問
「医師法第21条はずっと議論になっており、医療事故調査制度の議論もそもそもはそこから始まった。紆余曲折を経て、厚労省発言だとか答弁だとかによって、医師法第21条については、落ちついたが、二月八日通知で、医療関係者がざわついた……二〇一二年十月二十六日の田原医事課長発言、あるいは、二〇一四年六月十日参議院厚労委員会での田村厚労大臣答弁等があるが、それをこの通知によって変えようとするものなのか、それとも、答弁や発言というのはそのまま維持をされるものなのか」

吉田学医政局長答弁
「二〇一二年十月二十六日、医事課長が、『基本的には外表を見て判断するということ。外表を見るときに、いろんな情報を知っている場合もあるので、それを考慮に入れて外表を見る』と発言している。二〇一四年六月十日の参議院厚労委員会において田村厚労大臣が、医事課長発言を引用し、『死体の外表を検査し、異状があると医師が判断した場合には、これは警察署に届ける必要がある』と答弁した。今回の通知は、いずれの発言とも、同趣旨の内容」

橋本岳議員質問
「田原医事課長が、『厚労省が診療関連死について届け出るべきだというようなことを言ったことはない』と答弁をしている。田村大臣の方でも同旨の発言があり、『医師法第21条は、医療事故等々を想定しているわけではなく、これは法律制定時より変わっていない』という話がある。そこについても確認を」