【前回記事を読む】「楽しみにしてるわ」なんて、余裕ぶって言ったけど恥ずかしい。彼はどう思ったかな……。高校生みたいに、もうデート当日のことを考え始めてる

第2灯目 渚たちのファーストデート

「納得しました。どうして教員になったの?」

「運動が好きだから……それが一番かな。あとは部活の顧問(こもん)をやりたいとか……」

「部活って何をやってたの?」

「僕のこと、本当に覚えていないんだね。陸上部……ハイジャンプ」

「ゴメンね。全然覚えていないわ。ねえ、私が高校3年の時……何部だったか知ってる?」

「知ってます。帰宅部だよね」

「つまんないの。間違えると思ったのに……」

「あれっ、間違えたほうが正解なの?」

「違うの。私にフラれた後も松原君は本当に私のことを見ていたんだなって……」

「でも、ストーカーにはならなかったよ。迷惑かけちゃダメだと思ったからね」

「ふ〜ん。今さらなんだけど、私がフリーじゃなかったらって考えなかったの?」

「そんなことを考える余裕なんてなかった。とにかく会って話がしてみたい……そのことだけで頭の中がイッパイだったよ」

松原の言葉にウソはないと思いながらも、イケちゃんはまだまだ探(さぐ)りを入れようとした。

「松原君の趣味って何?」

「渚さんは灯台めぐりだよね。実はさ、僕はお城めぐりなんだ」

「えっ、そうなの。私も何ヶ所か行ったことあるよ」

「どこの城かな?」

「3年くらい前に、名古屋城と犬山城へ行ったよ。その前に高山城へも行った」

「高山城か……かなりマイナーな城跡だけど、何かキッカケでもあったの?」