【前回記事を読む】「本当は私となんかより、彼氏さんと行きたいんでしょ?」ピリピリした緊張感がただよっていることが電話越しでも伝わり…
第2灯目 渚たちのファーストデート
お姉さんからの電話で近況を聞くことができたけれど、イケちゃんは今さらながらデートの約束をしたのが良かったのかどうかわからなくなっていた。
とりあえずデートしてみて、どんな人なのか見極(みきわ)めるしかなさそうだ。
デートの場所は戸隠神社とリクエストしてあるので、それ以外のデートプランは彼に任せようと決めた。
今のイケちゃんには、デートよりお姉さんとの1泊旅行が重要なのである。
合コンをしてから1週間後、お姉さんに電話がかかってきた。
「こんばんは、津田です。今、よろしいでしょうか?」
お姉さんはデートの誘いだと思いつつ、平静を装った声で対応する。
「あっ、津田さん。先日はどうも……今ですか、大丈夫ですよ」
「今月末の木曜日ですが、高山へ行こうと思います。案内をお願いしたいというか、デートしていただけませんか?」
津田の口調が会って話した時とちょっと違う感じがしたので、少し意地悪な言い方をして反応を確かめてみることにした。
「案内をしてほしいのかしら……それともデートなのかしら……どっちなの?」
年齢は1歳差だけなのに、年上っぽい圧を感じさせる言い方だ。
「もちろんデートです!」
「鉄道で来るの?」
「車でも大丈夫ですか?」
「どっちでもいいですよ」
「デートの後で実家へ行くんで車にします」
「富山から来るんでしょ。実家ってどこなの?」
「長野県の松本市ですけど……」
「そうなんだ。何時頃に高山へ来るか決めてるの?」
「一緒にお昼ごはんを食べたいです。昼頃で良いですか?」
「何を食べるか決めてるの?」
「いえ、まだです。渚さんと会えることが決まってからと思っていました」