俳句・短歌 歴史・地理 歌集 歴史 2020.10.07 歌集「風音」より三首 歌集 風音 【第10回】 松下 正樹 何気ない日常にある幸せを探しに。 優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 夕闇にあばたの多き蟇蛙 前足つっぱりわれを睨めり 花菖蒲 蕾は尖りとぶかたち 開かんとする力溜めたり 添へ棒に胡瓜は蔓をあずけたり つらなる黄花夏うら若し
小説 『不確かな真実』 【新連載】 和亭 正彦 都内のマンションの一室で無残な姿で発見された女性の遺体。捜査本部は容疑者と思われる人物の特定を急ぐが… 凄惨な事件であった。新年早々の一月八日、新宿を起点として東京、神奈川を貫く東神電鉄の西城公園駅にほど近い瀟洒なマンションの一室から女性の遺体が発見された。遺体には、鈍器で殴られたような後頭部の陥没と胸部に致命傷になったと思われる数カ所の刺し傷があったが、傷はそれだけではなかった。大きく切り裂かれた腹部からは、まるで腑分けをしたかのように内臓の一部が体外に引きずり出されており、皮膚がめくれ返った首…
小説 『不確かな真実』 【第2回】 和亭 正彦 防犯カメラが捉えた深夜のマンションを出入りする"謎の人物"――浮かび上がってきた三人の容疑者たち 【前回の記事を読む】都内のマンションの一室で無残な姿で発見された女性の遺体。捜査本部は容疑者と思われる人物の特定を急ぐが…「こちらは今のところ身元が分かっておりません。しかし、映像がかなり鮮明ですので時間の問題かと思います。こちらは、先の田代正樹と思われる人物が二十二時八分から四十分足らずの滞在でマンションを出て行った後、二十三時三十五分にマンションに入り、翌朝五時十二分にマンションを出ておりま…