俳句・短歌 歴史・地理 歌集 歴史 2020.09.30 歌集「風音」より三首 歌集 風音 【第9回】 松下 正樹 何気ない日常にある幸せを探しに。 優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 あな不思議 おたまじゃくしに足が生え 尾が消えて蛙に変身す かおかおと蛙がより合ひ鳴き交す 歌垣の池にぎはひけり *歌垣 筑波山で行われていたと云う、男女の歌合せの祭り。 蛙たち 五月となれば池を出で 四足ふんばり土踏み歩む
小説 『おとこと女』 【新連載】 澤村 涼一 「最近何か面白い本、読みました?」…迷った結果“三島由紀夫”と答えたが、語りすぎた…数秒の沈黙の後、彼女は唐突に…… 「あっ、一ノ瀬(いちのせ)さん、最近何か面白い本、読まれました?」一ノ瀬が食堂で夕食前と夕食後の配薬の準備に取り掛かっていると、同じく食堂で夕食に向けた配茶の準備をしていた川名香澄(かわなかすみ)が声を掛けてきた。一ノ瀬はちょうど配薬の開始において既に食堂のそれぞれの席で待機している入居者の内、どの入居者を皮切りに配薬をスタートするか、ある程度開始の順番の目星を付けたところで、それ以外のそれぞれ…
小説 『一括切除』 【第2回】 菊池 大輔 研究ばかりで患者には興味ナシ…のはずが、内視鏡での切除だけは自ら執刀したがる医師。専門外なのにと不思議に思っていると… 【前回記事を読む】「俺が見つけたのに、なんでだよっ!!」主任教授は"ある時期"から、内視鏡の症例を独占するようになった。その真意とは…「で、実体顕微鏡での所見はどうだ?」質問というより、詰問に近い。「この方向が前壁(ぜんぺき)で、このマークが後壁(こうへき)だから……」独り言を呟くと口調を変えて、「検体の再構成はもっと正確にやるように。分割切除にはなったが内視鏡的には完全切除だ。経過も良い。患者…