俳句・短歌 歴史・地理 歌集 歴史 2020.09.23 歌集「風音」より三首 歌集 風音 【第8回】 松下 正樹 何気ない日常にある幸せを探しに。 優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 くろぐろとつらなる卵はやはらかな 卵嚢に保たれ孵るを待たむ 日数へておたまじゃくしが孵りたり 丸い頭に尾が付いている 池じゅうにおたまじゃくしの群がりて ひらひらひらと尾を振り泳ぐ
小説 『余白』 【第9回】 山本 実咲 結婚後発覚したカードローンやら何やらが、もう増えていないことを願う。額は増えていてもいいけど、せめてローン会社の数は… 【前回の記事を読む】「一人で全部育児をする。だからどうか子どもを産んでほしい」――しかし夫は家事も育児せず、これまで以上に「子ども」になった結婚前には突然右脚のふくらはぎに割と大きな柄のタトゥーを二つ入れた。何度見ても何を表現しているのか分からず、それが何なのか何度聞いても忘れてしまうのだが、夏になると毎年、せっかくだから短パンを履けばいいのに、となぜか感じてしまう。タトゥーを入れる日、私は仕事…
小説 『真夜中の精霊たち』 【第10回】 新見 上 彼女の足もとに身を投げ出して亀ダンスを披露したい衝動をおさえ、彼女ににじり寄り… 【前回の記事を読む】お目当ての彼女は婆さんみたいに毛布を被り込み、男女の若者がダンスに興じるのを眺めていただけだった… 彼が毛布を持ってティーピーの前に立つと、まだ外にいた家族達はティーピーの中に引っ込み、中にいたハミングアローがもったいぶって出てきた。彼が来たことに気がついたキッキング・バードの、なんとも言えない深刻そうな表情が気になったが、ハミングアローの顔を見ると、嬉しさに胸が躍らずにはい…