俳句・短歌 歴史・地理 歌集 歴史 2020.10.14 歌集「風音」より三首 歌集 風音 【第11回】 松下 正樹 何気ない日常にある幸せを探しに。 優しい風を運ぶ短歌集を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 血の滲むやうな鰹を食ひたりて 唇なまぐさき五月はじめは 紫陽花は散らざり褪せてゆくやうに 人はすなほに生きて老ゆべし どくだみの十文字を描く白花の すがしさに惹かれわれは寄りゆく *どくだみ 四弁の白い花。
小説 『惰走は駛走に変わる』 【第5回】 大森 是政 知らせを受けてすぐに遺体を引き取りに行くと、「衛生上の都合で既に火葬した」…納得できない。見せられない理由があったはず。 【前回の記事を読む】賭け碁の時代が終わり、競馬の時代が来る。明治の横浜で博徒たちが選んだ新しいシノギのかたちとは「手入れが入ったときのことは、考えてます」中村川に架かる車橋を渡った先から競馬場までは、坂道が続く。夜も更けてきたが、日中の暑さはまだ残っている。水が湧き出している場所を通りかかったとき、工藤が立ち止まって合図したので、喉を潤した。さらに坂道を上っていくと、競馬場の正門が見えてきた。そ…
小説 『TOKYOメトロポリスの片隅で』 【第4回】 美園 あかね 片思いばかりだった女子が結婚!しかし体重が6キロも増えて断食ヨガ合宿へ。痩せた姿を本当に見せたいのは夫ではなく… 【前回の記事を読む】「ほかに好きな人ができた。別れてほしい」5年付き合ってきた彼氏に、突然別れを告げられた。結婚の約束もしていたのに…年が明け、二〇一一年。美羽の携帯電話に櫻井からメールが届く。〈明けましておめでとう。同窓会は楽しかったね。機会があったらまた会おう〉美羽は返信した。〈明けましておめでとう。公務員試験受かるといいね。よい一年になりますように〉その年の三月、東日本大震災があった。東京…