「まぁこれはその人の人生観によると思うんだけど、仕事に対して中途半端だったら、その対価となる報酬は多くはないよね。

そのかわり、この不動産という仕事は、本気で向き合えば年収はどんどん上がっていく仕事だ。サラリーマンとして年収一,〇〇〇万円を超えることも可能だし、起業すればもっと稼げるチャンスはある。本当におもしろい仕事だよね」

金光さんは少年のように目をキラキラさせて笑った。

「金光さんだったらもっと稼げると思うんですけど、どうして不動産業を辞めちゃったんですか?」

「ん? 俺かい? それはね……、まぁ、また今度教えてあげるよ」

僕はつい踏み込んだ質問をしてしまった自分を戒めた。まだ知り合ったばかりの人にあまり深く聞くべきではなかった。

「よし、今日はこのへんにしておこうか。今言った教えを守って案内に挑んでみて。きっといつもとは違う手応えがあるはずだよ」

「はい! もう明日は絶対に売れる予感がしています!」

「がははは。そんなに甘くはないけどね。その気持ちは大事だよ。

俺も商談に挑む前は、この商談が必ず契約になると思い込んでいたしね。斎藤くんの良いところは、素直なところだよ」

「な、なんだか照れくさいです」僕は頭の後ろを掻きながら言った。

「金光さんの教えは本当に勉強になりました! ありがとうございます!」

「とんでもない。明日の案内頑張ってね!」

 

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