【前回の記事を読む】「一緒に入る?」とバスルームへ。暗くした浴室には、デリケートゾーン用のソープが用意されていて…

『セラピストとしての活躍』【セラピストK】

セラピストとして働き始め、少しずつ、お客様からのご予約が増えていた。お問い合わせをいただいたお客様にはなんとかして会いに行きたい。

僕は本業の仕事をしながら、兼業でセラピストをしている。本業はなんてことのない普通の営業の仕事をしている。だから、どうしても時間の折り合いがつかずになかなか会えないお客様もいた。

二つの仕事をかけ持ちしているうちに、自分の体に無理を強いていることに気づき始めた。昼間のご予約、そして、本業の仕事。そして、夜遅くのご予約。全てをきちんとこなしたい。そうなれば削るのは自分の時間しかない。

寝る時間はぐちゃぐちゃに、食事もろくに食べられない。ハードスケジュールをこなす毎日。

ただ、僕は器用な人間ではない。どんどん体に心に無理が重なっていった。

女風のお客様からの個別のメッセージへの返信。本業の予定の確認。そして事務処理。一番大切な女風のお客様と過ごす時間。さらに本業の営業の仕事。

忙殺されている自分に気づくのが少し遅かった。体が重い。やる気が出ない。二つの仕事のやるべきタスクがこなせていない自分が情けなかった。

そんなとき、神様からの警告なのか、不思議なことに本業も女風も両方の動きがぱたりと止まる時期が来た。

〝暇だ。どうして? 何をすればいい? どうして、誰からの連絡もない?〟

そんな時間が一週間ほど続いた。見たいわけではないYouTubeを見たり、寝たいときに寝たり、とにかく今までの多忙な生活とは違う日々が続いた。

不本意だったが、ゆっくりと自分に向き合って過ごしていると、不思議とまた二つの仕事が動き始めた。無理をすることはダメなのだ。きちんと自己管理をしないと生きていけないのだということに改めて気づかされた。

それからは、本業の営業も女風の営業も自分をあまり追い込まずに進めることを心掛けながら仕事を続けるようにした。

営業というのは、どうしても売り上げが数字として顕著に目に見える。ただ、その数字は今だけのもので、自分の人生はまだまだ続く。そんな自分を守れるのは自分だけ。

二つの仕事に手を抜くことはしたくない。ただ、あまりにも自分を追い込むようなスケジュールにはしないように心掛けた。

もちろん、無理をすることもある。これはどんな仕事でも同じで、お金を稼ぐということは簡単ではない。

僕にとって二つの仕事に共通するのは、相手が〝人〟であること。それも、何かを〝求めているお客様〟が相手であるという仕事。その要求に応えたい。そんな自分の性格をうまくコントロールする力も身につけるための一週間だったのかもしれない。