俳句・短歌 歴史・地理 短歌 平安の都 2020.10.06 歌集「花と散りにし」より三首 花と散りにし 【第9回】 松下 正樹 平安末期、国を二分する戦いが起こった。それは保元の乱と呼ばれる戦乱であり、古代から中世へと、貴族政治から武家政治へと時代を切り拓いていく端緒となった。 この乱の原因である天皇家と藤原摂関家の内紛から崇徳院の配流という結末までの経緯が詠まれた創作短歌を連載でお届けします。 この記事の連載一覧 最初 前回の記事へ 次回の記事へ 最新 にこやかな笑顔をつくりてありけるに心に般若の面を被りし *般若 鬼女。 崇徳院にまつはる噂ひろがりて都中の人の口さわがし ぬかづきて皇子さづかるを祈りたり得子のねがひ神にとどけり
小説 『再愛なる聖槍[ミステリーの日ピックアップ]』 【新連載】 由野 寿和 クリスマスイヴ、5年前に別れた妻子と遊園地。娘にプレゼントを用意したが、冷め切った元妻から業務連絡のような電話が来て… かつてイエス・キリストは反逆者とされ、ゴルゴダの丘で磔はりつけにされた。その話には続きがある。公開処刑の直後、一人の処刑人が十字架にかけられた男が死んだか確かめるため、自らの持っていた槍で罪人の脇腹を刺した。その際イエス・キリストの血液が目に入り、処刑人の視力は回復したのだという。その槍は『聖(せい)槍(そう)』と呼ばれ、神の血に触れた聖(せい)遺物(いぶつ)として大きく讃えられた。奇跡の逸話(…
小説 『乱世、一炊の夢』 【第11回】 安藤 恒久郎 【戦国時代】家臣に無血開城を拒否された佐竹義宣…放っては置けない。企てた策略に、父は「これは偽書ではないのか?」と… 能化丸の岩城家入りについても恙(つつが)なく九月二十八日に出立の日を迎えた。八歳の能化丸改め貞隆ほか付け人らの一行は太田城から磐城大舘城に向かった。補佐役は根本里行、岡本好雪斎と岩城家からは佐藤大隅守が同行した。義宣は会津黒川城の苦い経験から岩城家家臣と摩擦を起こさず協調するよう指示を出した。さらに貞隆後見付き家老としてしばらくの間、北義憲に政務を見させることにし、近くの植田城には梶原美濃守政景…