ゆらゆらと凌霄花 もゆるなり
憎き一人の忘らえなくに
*凌霄花 ノウゼンカズラ科の蔓性落葉高木。六月ごろ、黄赤色の大型の花を下むきに開く。
地にひくき大葉子に人目とどかねば
踏まれふまれて花穂もち上ぐ。
*大葉子 オオバコ科。道ばたなどに咲く、高さ二十センチメートルほどの花穂をあげる。
青嵐ひと日やまざるくぬぎ林
裏葉しらみて湧きたちにけり
*くぬぎ 落葉高木。葉の裏に灰白色の毛が密生する。
季節に誘われ土地を巡る尊きいのちを三十一字に込める
最北の地で懸命に生きるウトウ、渚を目指していっせいに駆ける子亀……曇りなき目で見つめたいのちの輝きを綴る短歌集を連載にてお届けします。
ゆらゆらと凌霄花 もゆるなり
憎き一人の忘らえなくに
*凌霄花 ノウゼンカズラ科の蔓性落葉高木。六月ごろ、黄赤色の大型の花を下むきに開く。
地にひくき大葉子に人目とどかねば
踏まれふまれて花穂もち上ぐ。
*大葉子 オオバコ科。道ばたなどに咲く、高さ二十センチメートルほどの花穂をあげる。
青嵐ひと日やまざるくぬぎ林
裏葉しらみて湧きたちにけり
*くぬぎ 落葉高木。葉の裏に灰白色の毛が密生する。