【前回の記事を読む】8歳年下の猫みたいな男子が「僕を拾って」と言っているようだった。彼を拾って一緒に暮らすことになり…

壺を抱いたネコニャ

やがて冬が近づいてきた。冷え性の私は、すでに十月末頃から電気敷毛布を使っていた。自分の体温だけではベッドの中が温かくならないので、私はこれがないと眠れなかった。

その大切な敷毛布が故障してしまった。全然温かくならなくて、私は愕然とした。丸まってみても、うつ伏せになっても、掛け布団を一枚増やしても、布団の中は温まらなかった。

特に足先の冷たさといったら、耐えられるような温度ではなかった。仕方がないからバスルームへ行き、洗面器に湯をはって足を温めてみた。そのときはいいのだけれど、階段を上がりベッドに潜り込む頃には、足はまた氷のように冷たくなっていた。

「どうしよう」

私はバスルームでもう一度足を温めながらつぶやいた。

「どうしたの?」

振り向くと、ネコニャが目を擦りながら立っていた。

「電気敷毛布が故障しちゃったのよ。寒くて眠れないの」

眠れないという絶望感に支配されている私は、足を拭きながら訴えた。

「なんだ、そんなことか。僕一緒に寝てあげる」

彼は大きなあくびをした。

「え?」

私はどきっとした。

「猫って温かいんだ」

ネコニャは背を向けると、私の部屋がある二階へ向かった。彼は自分のテリトリーである一階にいることが常で、私の部屋がある二階へ行くのは初めてだった。私はあわててついていった。

階段を上るネコニャの背中に目が張り付いていた。細いと思っていたのに、けっこう広くて驚き、思わずパジャマを脱いだ姿を想像してしまった。

こ、心の準備がー。まさかこういう展開になるとは。そりゃ、いつかはなってもいいかなって思っていたけれど、私は年上だし、ネコニャとそういう付き合いするとは思っていなかったし、ネコニャはもてるし、私なんか相手にするはずないと思っていたし。えーと、一体私は、何をうろたえているんだ。

私の思考は、遠く宇宙の果てをうろついているような感じだったが、それに比べて、ネコニャの背中は堂々としていた。階段を上がり切ると、首を左右に振って三枚あるドアを見たが、ためらうことなく一番右、つまり西の端にある私の寝室へと歩いていった。

「ファンヒーターは点いている?」

ノブを握りながら振り返った。