【前回の記事を読む】フランスで電車に乗っていると、「そこをどけ」と言われた。「これがアジア人差別!」と思ったが、実は違って…

2 ジャンヌ・ダルク最後の地・古都ルーアン

⬥ノルマンディーに上陸

パリからルーアンまでの間、列車は何度もセーヌ川を渡る。後で地図を見ると、セーヌ川はパリからルーアンの間で蛇行を繰り返して流れている。セーヌ川のような大河はゆったりとほぼまっすぐに流れていると思っていたので、何度も大きな鉄橋を渡るたびにフランスには大きな川が多いなと勘違いしてしまった。

フランス鉄道はよく遅れると聞いていたが、ほぼ正確にルーアン右岸駅に着いた。到着5分前ぐらいにセーヌ川越しにルーアン大聖堂の尖塔が見えてきた。そして、着いたぞと思った瞬間トンネルに入り、抜けるとすぐ駅に着いた。ルーアンだ、といった感じ。

ルーアン右岸駅はなかなか立派なつくりだった。ホームは地階にあり階段を上がり、駅のホールに出るようになっていた。ホールを抜け外に出ると、それほど広くない駅前ロータリーの先にメインストリートであるジャンヌ・ダルク大通りが見えた。

大通りは緩やかな坂道になっており、下りながらセーヌ川まで続いていた。パリほど立派ではないが重厚な感じの建物が並んでいる。目の前の街並みを見ていると、これからこの街で過ごす実感が湧いてきた。

パリではフランス語が全く通じなかった。ルーアンには知り合いも頼る相手もいない。ルーアンの街並みを見たとたん、到着までのわくわく感は消えて不安が押し寄せてきた。この街で2年間どうやって暮らすのか。何とかなるさと楽観的にルーアンまで来たが、着いたとたん日本へ帰ることを考え始めた。

⬥歴史と文化と食堂

ルーアン右岸駅から出てすぐのホテルにチェックインした。予約なしだったが、駅前の小さなホテルだったので、そのような客が普通の様子だった。当時よく見た寅さん映画に出てくる駅前旅館のような感じのホテルだった。

なぜかチェックインはスムーズにできた。会話学校でチェックインの練習をしていた効果があった。日本人のパスポートを見せるとあっさり鍵を出してくれた。