ホームズに習う「調査」の方法

古代ギリシャから一転、時代は19世紀末。記号論~プラグマティズム(観念ではなく行動を重視した実用主義)の創始者にして米国最大の知性と称される論理学者チャールズ・サンダース・パース(1839-1914)が登場する。

パースは、演繹法と帰納法という原則的な2つの「弁証法」に、第3の方法として、「アブダクション」仮説形成法を加えた。

そのため「弁証法」は、あらためてこれら3つの方法論として規定されることとなったが、パースは「アブダクション」を第3のという以上に、演繹法も帰納法も包括するより高次元の方法として捉えていたようだ。

このパースが生きた時代は、ホームズ=ドイルが活躍した時代とほぼ同期する。

探偵の活動の核心である「調査」。その達人であるホームズが最も得意としたのが、この「アブダクション」仮説形成法という「創造の方法」なのだ。

事件の解決にあたるホームズは、なるべく多くの証拠を探し集めることに取り組む。目立ったひとつの事例での偏った推論を避け、わかりやすい解釈になびかず、探し集めた多様な事柄によって、全体像の説明が可能となる推論を求めることにクリエイティブを発揮する。

そんな「アブダクション」の達人であるホームズは、「調査」に基づき仮説を立て真実を解き明かす探偵のクリエイティブに必須な資質として、「知識・観察力・推理力(『四つの署名』より)」を挙げている。

 

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