【前回の記事を読む】あなたの仕事にも“創造”はある――すべての職業がクリエイティブである理由と、あなたの思考法を育てる7つのプロセス

はじめに

7つのクリエイティブ

クリエイティブという人間の営みを始め(思案)から終わり(完成)までのフローを図解すると、発想する(何事かが想起される)前後にそれぞれ、インプットとアウトプットの工程がある。

この図のとおり、文章を書いたり、図や絵を描いたりといった表現技術としてのアウトプットはいきなりなされるものではなく、はるか手前にインプットがあるのだ。

写真を拡大 インプットからアウトプットへのフロー、プレクリエイティブの大事さ

「食べたもので身体は作られる」という言葉があるが、クリエイティブも本来は、インプットなくしてアウトプットできないはずなのだ。

あくまでもインプットを受けて、あなたのマインド(意思や意図)と、これまで生きてきた中で培われたアイデンティティを下支えに、発想=イマジネートが起こる。そこで得た何らかの考えを、表現技術によって身体の外に出す行為がアウトプットに過ぎないのである。

クリエイティブの真髄が発想する瞬間にあるとしても、クリエイティブとは、これらのフローに見るクリエイティブ前からクリエイティブ後まで、フロー全体のことなのである。

本書では、調査=リサーチに始まり、伝達=プレゼンテーションで完了する一連のクリエイティブを、それぞれの段階ごとのクリエイティブを極めた達人にご登場いただき、その「方法」を習う趣旨である。

繰り返しお伝えしているように、クリエイティブはあらゆる仕事、暮らしや学びや働きを支える人間の営みの核心だ。どんな仕事でも、ちょっとした工夫や独自のやり方、合理的で効率的な働き方次第では自らの仕事が容易になり、楽しくもなり、やりがいも増し、成果が上がり、評価も報酬も高まることだろう。