クリエイティブの「方法」を習えば、あらゆる仕事に活かすことが可能になる。本書を読み終わる頃、クリエイティブは何だかわからない才能やセンスの産物などではなく、最適な「方法」の駆使と運用によって、狙った的の真ん中に矢を射る、極めて論理的で演算的で戦略的で、事業に応じた正解がある仕事であることを理解いただけることになるだろう。

創造の方法1「調査」
リサーチ~探すクリエイティブ

「論理家は、全ての物事をあるがままに見なければならない」

シャーロック・ホームズ

探偵(1854~?)

 

illustration:Katsuyuki Nakayama

クリエイティブは「調査」に始まる

創造=クリエイティブを7つの段階に分けて解説する本書の始まりの1段階目。「調査」リサーチ~探すクリエイティブは、やがて訪れる「企画」や「設計」というクリエイティブの核心に向けた第一歩だ。

「調査」は、「企画」や「設計」を導くためのリサーチとインプットの作業である。事前に把握し、理解しておく必要のある情報を調べる段階だ。この創造の方法1「調査」と、その直後に続く2「印象」とを合わせて、自分自身に対してインプットを行う、またはチームでインプットを共有するための重要な初期段階と位置づける。

インプットとは、必要な情報を自分自身に入力すること。後に続くクリエイティブを形づくる大事な初動の段階なのだが、多くの場合、このインプットが軽んじられる傾向が多い。大概のことはとっくに知っているよと侮ったり、いつもやっていることと似たことだからと一足飛びに「企画」を始めたり。