【前回の記事を読む】「クリエイティブ」は才能やセンスの問題か?仕組みと方法を知れば、暮らしや学び、ビジネスに生かせる。
はじめに
なぜ今クリエイティブなのか?
米国の未来学者レイ・カーツワイル(1948―)は著書『ポスト・ヒューマン誕生』で、シンギュラリティ(原意は特異点)、2045 年には自律的な AI =人工知能が人間の知能を超える転換点を迎えることを予測している。ブロックチェーンは、ブロックと呼ばれる単位でデータを管理し、チェーンのように連結して記録する暗号技術を用いた分散型の台帳技術で、この技術に支えられて中央銀行を不要とする暗号資産(仮想通貨)が実現し、瞬く間に普及した。
AI やロボットが人間と共存する現代になったからこそ、人間が人間であることの意味をあらためて考え直す必要性があると思うのだ。そして、人間を人間たらしめる核心こそ「創造」なのである。
今こそ、「創造」クリエイティブとは何か?を理解し、その「方法」を習得することによって、現代における私たちの暮らしや学びや働きがより豊かに楽しく、文字通り「創造」的になることを目指そう。
あなたも今日からクリエイティビスト!
世の中には実に様々な仕事がある。頭や心や体を使う仕事に、目や耳や鼻や口を使う仕事。手や足を使う仕事。農林漁業(一次産業)に、製造・建設業(二次産業)に、商業・金融・医療・教育・情報通信業(三次産業)、AI などの技術革新による新たな産業(四次産業)など。
いろいろな仕事がある中で、あらゆる仕事にとっての核心こそクリエイティブだ。この世にクリエイティブが必要ない仕事はない。それがどのような種類の仕事であっても、その仕事はクリエイティブに支えられているのだ。
古今東西、あらゆる仕事が創意工夫によって発展してきたこと。日々の仕事の中にも小さな創意工夫があって、その仕事を合理的に効率的に、楽しく有意義に、世界中の人々が日々成果を高めるために取り組んでいるからだ。
また、クリエイティブな仕事とは必ずしもデザイナーやプランナー、エディターやライター、アーティストにミュージシャンなど、横文字カタカナ職業の人々のみを指すものではない。本書では、あらゆる仕事をクリエイティブとして捉えることで解説を試みるものとする。
クリエイティブの専門家として働く横文字カタカナ職業の方はもちろんのこと、クリエイティブへの理解はないがクリエイティブな資質の必要性を求めている方、自分はクリエイティブとは縁遠いと決めつけている方、これからはクリエイティブについて理解が必要だなと危機感を感じ始めている様々な業界業種の、経営者、管理職、営業職の方々に読んでいただきたい。
就活中の学生は、就職活動の成就と来るべき社会での働きに備えて。子育て中の親御さんは、「創造」教育の基礎教養として、クリエイティブへの理解とその方法の習得を目指そう。本書はきっと、現代に生きるあなたにクリエイティブという大きな武器をもたらすだろう。