【前回の記事を読む】「張り込み」や「聞き込み」が基本の探偵業。数々の難事件を解決したS・ホームズ。彼の卓越した調査方法「アブダクション」とは?

創造の方法1「調査」
リサーチ~探すクリエイティブ

探すクリエイティブの方法「弁証法」?

この「調査」というクリエイティブ自体を捉えるのに最適なのが、対話を通じて物事の正しい理解と、事実にたどり着くための方法「弁証法」だ。

歴史を遡り古代ギリシャ時代。俊足のアキレスが亀に追いつけない「アキレスと亀」という、逆説の論理を唱えたことで知られる、哲学者ゼノン(BC490-BC430)によって「弁証法(dialectic)」なる方法が築かれた。「弁証法」とは、「思考の理論」「論議の技術」なのである。

ゼノンの後、同じ古代ギリシャの哲学者プラトン(BC427-BC347)による「形而上学・倫理学」を経て、その弟子のアリストテレス(BC384-BC322)は、経験に基づく分析を重視した、人間の「思考の法則」を総合的に考える学問として「論理学(logic)」を体系化した。

このアリストテレスは万学の祖と讃えられ、「論理学」の中で最も有名な「三段論法」を確立したことでも知られている。

ホームズ=ドイルによる「調査」リサーチ~探すクリエイティブをひもとくために、論理学における「弁証法」という、事物の本質を把握するための方法、事実を推論するための方法を理解しよう。

この「弁証法」は、たった3つの方法に分類される。

①演繹(えんえき)法 deduction(ディダクション)

全てのことに共通する法則から、特別な結論を推論する方法。別名、三段論法。先にルール=前提条件がある推論だ。

例:ヒトはいつか死ぬ(大前提)→ホームズはヒトである(小前提)→ホームズもいつかは死ぬ(結論)