【前回記事を読む】「ゾミ族は貧しいので、日本の兵隊さんの遺骨には頭蓋骨がない」と言う。どういうこと?と尋ねると彼は「顎の骨を砕いて…」

第1章 最後のフロンティア

白骨街道

翌日の夜、僕たちは、知られざるゾミ族の祭りに参加した。

その祭りは、子どもたちがゾミ族の民族衣装でモデル歩きをするコミカルなファッションショーがあったり、美しい民族衣装を着た女性歌手の民謡や、牛の角や毛皮をまとったおじさんが熱唱したりなど、とにかくカレーミヨ最後の夜は、楽し過ぎた。

祭りの翌日、僕はヤンゴンへ帰る国内線の飛行機のなかで、もしミャンマーを題材にした映画を創るなら、あの時代のことは避けて通れない。八十年前、どういった経緯や知られざる真実があったとしても、一瞬でもビルマ人と日本人の間に信頼関係があったはずと信じたかった。 

そしてこの地で亡くなった多くの魂が日、英、印、緬、の国籍を問わず、今となっては皆、平和を望んでくれていると思いたかった。こうして僕は、ヤンゴンに帰って来た。これからは、本格的に現地で独立した生活の準備をする必要があった。