『年始一番目の予約』【みつき】

仕事は冬休みでお休みが続く。セラピストKくんも年末年始は女風のシフトを出していなかった。

私は一人で年越しを迎えていた。

以前のセラピストYくんから、「あけおめ」のメッセージが届いた。

まだ私のことを覚えてくれていたのだという嬉しさ。それなら、会いに行こうかなと心が揺らぐ。

そして、Kくんとは、あれからもメッセージのやりとりをしていて、大晦日に

「今年は出会ってくれてありがとう。いい年越しをしてね」

とメッセージをもらった。

元旦、私はKくんに、

「明けましておめでとう」

のメッセージとともに、1月4日彼の仕事始めの日に入れたかった予約の詳細を決めた。

前に、

「みつきさんの初デート利用をいただきました」

とおちゃめに言っていた彼に、私は、「今年の仕事始めをいただきます」

というような流れで。

次はホテルでの待ち合わせ、本来の女風利用。

初デートでは、自分のことを散々暴露して話をしてしまった。もちろん、Kくんは話をきちんと聞いてくれて、それだけで満たされる時間だった。

ただ、あれだけ自分のそのままを晒して、あれだけ笑って会話をして、次はホテル。どんな顔をして会えばいいのか、逆にどうやって女の顔になればいいのか悩んでしまう。

期待と不安が入り交じる気持ちのまま正月三が日を過ごした。

次回更新は4月3日(金)、22時の予定です。

 

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