【前回の記事を読む】自称ブスキャラの私に、彼がかけた言葉は「いつのまにか目で追うようになってた」…でも、自分の行動に後悔した。
訳アリな私でも、愛してくれますか
くるみから、あの日の出来事をすべて聞いた。
同期から大手クライアントの代わりに引き継がれた取引先が元カレの会社だったこと、肩書もあり大手の子会社でそれなりに社会的地位がある立場になっていたこと、そしてそんな元カレからデリカシーの無いことを言われ、そこを笹川に見られたこと……。
「それで、私が仕事終わる頃まで、笹川さんが会社の前で待っててくれたの。どうしても気になって、って」
「えっ、すごい。愛だね」
「そうなのかな。でも、すごく嬉しかった。そのあと、少し散歩して……」
「うん」
「でね、会社であったことも全部話したんだけど……そしたら笹川さんから、『会社をやめて一緒に暮らさないか』って、言われた」
「へっ!? 一緒に暮らすって……同棲ってこと!?」
「そうみたい。私も、そのあと詳しく聞いたんだけど……」
くるみの話では、笹川はくるみが会社で傷ついてばかりでそんな理不尽から遠ざけたいと思っていること、そして本当に自分のやりたい仕事を目指せず漫然と日々を送るくらいならいっそのこと仕事をやめてやりたいことに邁進する時間を作ればいいのではないかということを告げられたという。
笹川もちょうど今の助教ではなく、尊敬する教授から准教授になる推薦をもらい、仕事でも安定するというタイミングと重なったという話もあったらしい。
「くるみから聞いてた話だと、笹川さんって結構草食系だと思ってたんだけど、そうじゃないんだね」
「うーん、なんか思い切りはすごくいい人なんだなって私も思った」