【前回記事を読む】なぜ日本人は自国に誇りを持てなくなったのか。明治維新と戦後を経て、私たちが失ってきたもの
第1部 学び働く
五 女性差別
飛鳥から奈良時代は女性天皇が活躍した時代でした。奈良時代は80年と短い期間でしたが、男性天皇より女性天皇が統治した時間の方が長かったのです。
当時の日本では女性の地位が高く、結婚しても財産を持ち、姓を変える事もなく、皇后として独立した経済基盤を持ち、夫と共に政治に関わりました。天皇の後継者として性別よりも能力や年齢が重視されました。藤原京に遷都(せんと)した持統(じとう)天皇、和同開珎(わどうかいちん)を鋳造(ちゅうぞう)させた元明天皇は二人とも女性でした。
女偏がつく漢字は否定的な意味合いを持つ字が多い事から古代中国で女性は蔑まれていた事を想像します。
纒足(てんそく)は女性の人権を踏みにじる中国の陋習(ろうしゅう)でした。纒足の起源の定説はなく、夏、殷、周の三王朝という見解もあるが1950年に中国政府が纏足禁止令を頒布(はんぷ)するまで女性の足を小さくする習慣がありました。
子供の足を布できつく巻き付け、足が大きくなると脱臼、骨折させて膿や血が流れても続けました。纒足の女性は自由に歩けないので他人に抱きかかえられる事や背負われる事もありました。
昔は医療が現在の様に発達しておらず、伝染病や飢饉で沢山の人が亡くなりました。奈良時代、日本の人口は数百万人、その3分の1が天然痘で亡くなったといわれています。
戦争では沢山の男性が亡くなりましたから子供を産む事が女性の仕事として求められたのは必然的だったのでしょう。子供を産める女性は政略結婚の道具でもありました。
女性には生理があるためか、汚れた存在として扱われ、江戸時代には富士講[1]に参加できず相撲見学も出来ませんでした。女性には許されない神事や祭りが多かったのですが、現代では女性の参加が増えてきました。
生物学的に女性は男性に比べて具合の悪い日が多いのです。生理中に腹痛で悩む人もいますが、月経前症候群に苦しむ人もいます。頭痛がしたり、腹痛がしたり、そういった日々が毎月あり、妊娠、出産が可能な年齢を過ぎると更年期障害があります。
一昔前、男系優先の家族制度があり家事労働を女性が担いました。母親よりも長男が重んじられたので「父兄」という言葉が使われたが、これは時代にそぐわない言葉として現在では「保護者」が使われています。義務教育を終えないうちに多くの女子が奉公に出ました。