ある日、松田が入浴させるために、岡村さん宅へ訪問介護に出向き、お風呂へ入れようとした時、足が滑って岡村さんを転倒させてしまいました。すると歩けないはずの岡村さんが突然怒り出し、ふらふら歩き始めました。
台所から包丁を持って松田に向かってきました。足に力がないため、台所と居間の間のしきりに躓き、松田のはるか手前で再び転倒しました。
幸いというか、松田にとっては残念というか、骨折する事もなく軽いけがですみました。それ以来立って歩くという事はありませんが、さすがは元暴力団員と皆感心しました。服部は、
「やればできるじゃないの。歩けない岡村さんが歩くなんて。これからはもっと怒らせてみるか」
「服部さん、やめてくださいよ。そんな事したら、大江のように僕も辞めるコールしますよ」
「アハハ、ごめん、ごめん。歩き出したのがすごかったので、つい言ってしまったわ」
その後岡村さんは、年金もないため財産が底をつき、善良な市民を脅して得たお金で建てた豪邸を手放し、近所の安いアパートに移らなければならなくなりました。
今では生活保護を受けながら、服部達の世話になり何とか生きておられます。人間悪い事はできません。年を取れば自分の思い通りにいかないものです。人の世話にならないと生きていけないのですから、毎日感謝して生きたいものですね。
次回更新は2月2日(月)、14時の予定です。
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