「あんた、ちょっと、何してるの!」
貴子が咎めるのを気にも留めず、華怜は一枚のカードをめくり、目を見張り息を呑んだ。
「塔、正位置……まさか、そんなことが……」
棺の前に呆然と立ち尽くす華怜の背中を見て貴子は苛立った。
「何だって言うのよ」
華怜は沈痛な面持ちで振り返った。
「さすがにこのことはお伝え出来ません」
貴子はさらに苛立ちを募らせた。
「何よ。そこまで言ったのなら最後まで言いなさいよ」
「それではお伝えさせていただきます。どうか冷静にお聞きください。と言っても無理かもしれませんが。直美様と剛様は今日の深夜午前0時にお亡くなりになります」
姉弟は恐怖で目を丸くし、顔を強張らせた。驚愕のあまり広間をしばし静寂が支配した。
「あんた……何言ってんのよ!」
貴子が華怜の元に詰め寄り、襟首に掴みかかろうとするのを足立が慌てて制した。
「奥様、暴力はおやめください」
「暴力だって? こいつの占いの方がよっぽど暴力でしょ! どうして私の子供達が死ななきゃならないのよ! そんなインチキ占い信じるもんですか。やっぱりあんたがうちの人を殺したんでしょ!」
貴子は半狂乱になって叫んだ。直美は震えながら剛の腕にすがりついていた。華怜は彼らを冷ややかな視線で眺めていた。
「どうして私が旦那様を? それにどうやって殺したと言うんです? 旦那様は病死です。病院でもそのように説明されたと伺いましたが」
「ちょっと待ってください」
その時、麻利衣が声を上げた。
「確かに小佐々さんはかなり病気が悪かったから、いつ亡くなってもおかしくない状態だったと思うけど、お二人はまだ若くて元気です。それなのに一体どうやって亡くなるって言うんですか? しかも二人同時に」
「そうよ!」
貴子も同調した。
「私は人の死期を予知することはできますが、死因まで予知することは残念ながらできません。ですから何故お二人が同時に亡くなるのかも存じ上げません。ただ、午前0時にお二人同時にお亡くなりになることは絶対に間違いありません」
次回更新は2月6日(金)、21時の予定です。
【イチオシ記事】彼は私をベッドに押し倒し、「いいんだよね?」と聞いた。頷くと、次のキスはもう少し深く求められ…
【注目記事】「若くて綺麗なうちに死んだら、あなたの永遠の女性になれるかしら?」「冗談じゃない」彼は抱き寄せてキスし、耳元に囁いた