【前回の記事を読む】『3時間の余命』を宣告された父は、「気分が悪い。今夜はもうお開きだ」と自室へ戻ってしまった。すると、その夜…

サイコ2――死の予言者

「ところで賽子さん、さっき、小佐々さんの未来を予知しようとしていましたよね。何か見えたんですか?」

千晶が訊いた。

「ああ、見えた」

「何が見えたんです?」

賽子はしばらく黙り込んでいたが、おもむろに顔を上げた。

「小佐々氏は今夜午前0時に死亡する」

「えっ!」

麻利衣は慌てて布団から跳ね起きた。

「それじゃ、あのインチキ占い師と一緒じゃないですか」

「奇しくもな。今、午後11時55分。それでは予言が当たるかどうか確認しに行こうじゃないか」

賽子が着替え始めたので二人も慌てて身支度を整えた。

ドアを開けて廊下に出ると、廊下の向こうからひとみがこちらに向かって歩いてくるところだった。

「ひとみ、どうしたの?」

千晶が声をかけた。

「あんな変な占いがあったから、心配になって父の様子を見に行ったの。でも全然元気だったので安心して戻ってきたところだったの」

「そう、よかった」

「でも、まだ11時59分よ」

麻利衣がスマホを見て言った。

「えっ、父の部屋の時計はもう0時5分になってたのに」

「急ぐぞ」

賽子がそう言って走り出したので、三人は慌てて彼女の後を追った。崇夫の部屋の前に着くと、ひとみがドアをノックした。

「お父様、ひとみです。開けてください」

中からは何の返事もなかった。麻利衣は再びスマホの画面を見た。

「今、0時0分28秒」

ドアは外鍵はなく、内鍵がかけられていた。

「どいて」

千晶が替わってドアを拳で何度も強く叩いた。

「小佐々さん、出てきてください!」

それでも中からは何の反応もなかった。

「もう寝ているとか。それかトイレに入ってるとか」

麻利衣が言った。

「さっきまで起きてたのにこの音に気づかないはずない。トイレに入ってたとしても声くらい出せるはず。まずい。他に入る方法はないの?」

千晶がひとみに訊ねた。

「ないわ。窓は嵌め殺しでカーテンも閉められていたし」

彼女たちはかわるがわるドアを叩いて大声で呼び続けたが、やはり中からは何の物音もしなかった。ドアノブを何度回してみてもびくともしなかった。

「どけ」

賽子が三人を下がらせ、右手でドアノブの辺りを触れると、ガチャリと音がしてドアが開いたので麻利衣はさすがに驚いた。

「さすが、賽子さん!」