【前回記事を読む】アインシュタインやベートーヴェンに共通する「自己実現」する人の特徴
第一章
マズローの欲求の段階から見た「生きる目的」
四 社員研修での生きがい探し
抽象的で難しい問題であることを認識させるために、「私にもわからないから皆で考えて答えを出そう」と言う。新入社員全体を巻き込み、皆が積極的に参加するように促していくことが大切なポイントとなる。
そのために最初に役割を決める。司会者・記録係・分類係と決めていく。そうしておいて、私は「正面から取り組んでも難しすぎるから、自分の過去を振り返ってみて、子供の時から今日までにうれしかったことや、楽しかったこと、充実感を覚えた時、苦しかったことなどを一人ずつ発表していこう」と言う。
司会者が順番に指名して、発言内容を記録係がメモに一人一枚ずつ記録していく。例えば第一志望校に合格できてうれしかったとか、部活の県大会で優勝して皆で抱き合って喜んだとか、優しくしてくれたおばあちゃんを徹夜で看病して回復した時に良かったと思ったなど無数に出てきて、トイレ休憩も忘れて、誰も席を立たず熱心に発言する。
この記録メモを分類係が、小分類に仕分けして大きな紙にメモを張り付けていく。こうして分類した項目をさらに中分類として表示する。例えば「家族愛」であるとか、「友達」や「地域社会に役立つ」、「努力」などとなる。
入試に成功した時や優勝したことなどは皆「努力」に分類され、数としてはこれが一番多い。例年、五~六つのグループに分類される。このようにして中分類までは、新入社員でもスムーズに流れるのだが、大分類になると意見が分かれ、時間がかかるので、私がアドバイスしながら結論に導いていった。