【前回記事を読む】「せっかくだからワインを試してみたら?」シェフに勧められて口にした一杯の白ワイン。そこから各国のワインを試す旅が始まった
映画『プリティ・ウーマン』のジュリア・ロバーツに憧れて
モエ・エ・シャンドン モエ・アンペリアル
フランス/シャンパーニュ
「ライムライト」は、もちろん、チャールズ・チャップリンが監督・主演した同名の白黒映画からの命名です。
入り口全面を赤レンガで敷き詰めた古風な作り。店内は円みを帯びた変わった内装でした。落ち着いた木の質感が溢れ、壁には映画『ライムライト』のフランス語版の大きなポスターが飾ってあります。
店名を書いた看板も、映画のフィルムを模していて、両側にコマ送りの穴が開いていました。
ある夜、「ライムライト」に入ると、いつものカウンター席にいる雅子さんが、輝いて見えました。「えっ、何で? 何があったの?」と思って、手元を見ると、細長いグラスから細かい泡が彗星のように出ています。
雅子さんはチャイナ・ブルーというカクテルが大好きで、いつも手元のグラスは透き通ったブルーでしたが、この日は黄金色でした。グラスの底から何百万個もの泡が湧き上がりキラキラ光っています。雅子さんが飲んでいたのはシャンパーニュでした。
これって、ジュリア・ロバーツの『プリティ・ウーマン』の場面だと不意打ちを食いました。私の頭の中では、もちろん、ロイ・オービソンが歌う軽快な主題歌、『オー・プリティ・ウーマン』のメロディーが鳴っています。
映画は、ジュリア・ロバーツが、ロサンゼルスの貧乏なストリート・ガールに扮し、リチャード・ギアが、やり手の弁護士で企業買収を手がける超エリートを演じます。
ジュリア・ロバーツがリチャード・ギアに見初められ、礼儀作法や気品を磨いてついに社交界にデビューする「ハッピー・エンディング」のお話です。
社交界ではシャンパーニュが付き物。イチゴを食べながら、モエ・エ・シャンドンを飲むシーンが印象的でした。
イチゴの種が歯に挟まったジュリア・ロバーツが、トイレに籠ってデンタル・フロスで種を取っていた場面では、まだシャンパーニュの高貴さに負けていましたが、修行を重ねて高貴さを身に付け、イブニング・ドレスが似合う女性に大変身します。