そんなある日、女学院側から連絡があり私と両親は出向いた。
学校側は「ぜひとも一般試験も受けて下さい」と。
そして、「障害を持った生徒が今まで入学したことがなく学校側にとってこれからの良い経験になります、なにより生徒たちがカンナさんから得られるものがたくさんあります」とおっしゃっていただいた。
有り難いお言葉だった。私を拒否する学校はあったが、女学院しかり相愛しかり、私を歓迎してくれるなんてとても光栄なことだった。
私は悩みに悩んだ末、家庭教師と女学院の一般試験に臨むことにした。今まで勉強してきたことを先生と徹底的におさらいをした。
この努力が功を奏して、一般試験はみごと合格した! 七転び八起きのカンナ様だった! 私を根気よく教えてくれた先生と喜びを分かち合った。もちろんサポートしてくれた家族とも。
私はこんな“どでかい達成感”を味わったのは人生で初めてだった。治療以外でやっと自分の実力で結果を出せたのだ。
桃谷高校から女学院に入学したのは、開校して以来私が初めてで、快挙だった! 私の受験を応援して下さった担任の先生がとても喜んでくれたのが嬉しかった。
私には姉と弟に対して学歴コンプレックスがあった。姉は名門女子学校、弟は超進学男子校に通っていた。だが、女学院に入学できたことでほんの少しだけ二人の背中が見えた瞬間だった。
次回更新は12月24日(水)、18時の予定です。
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