先生は週二日来てくれた。とても恥ずかしいが、私は先生とABCの筆記体から勉強し始めた。文法は“This is a pen.”からだった。先生はまあまあカッコ良かったがそれをかき消すくらい厳しく容赦なかった。

先生に「一日八時間以上は勉強しなさい」と言われた、というか命令された。単語は一日三〇個暗記。文法は一週間で一単元。週二回単語テスト。長文一日三題。先生が出す課題はすべてこなした。

間違った時は、「なんで間違うんや?」と聞かれ、復習の大切さを何度も繰り返し説明された。見よ、私の努力を! 奇跡的に半年間で私の偏差値は三五も上がり、女学院と相愛は合格圏内に入った(もちろん先生のおかげです)。

いざっ、お受験! さあ、女学院の推薦試験だ。そうそう推薦受験の前に、女学院の関係者の方々が私の通っている桃谷高校に来た。ビックリをとおり越して、私の反応は「えぇー!? 何かやらかしてもうたわ」だった。

関係者の方々は、受験の日、私にとってベストな環境をどのように整えればよいかを相談しに来てくれたのだ。私は、女学院の教師の監視の下、個室で試験を受けられた。残念ながら結果は不合格だった……。

一発合格を狙っていたので、悔しさと情けなさで心がポキッポキッと折れた。

相愛の試験に心を切り替えた。私は問題を見た瞬間、これは合格したと確信できた。確信したように、相愛には一発合格した。

私は相愛の学校見学に両親と行った。関係者の方々が新キャンパスを案内して下さった。新キャンパスはバリアフリーで新しい建物の匂いがした。

彼らは「ぜひ来て下さい、学校側の体制は整っています」とおっしゃってくれた。私はとても良い印象を受けたが、「考えさせて下さい」と返事をした。ここで相愛を選べば辛い受験勉強から解放される。しかし、第一志望は女学院。