なんといふわが身のひどい穢れよ
川の流れに洗ひすすがむ
筑紫の国の川の流れに身を沈め
穢れをはらひ身を清めたり
*古事記・伝承地 宮崎市阿波岐原町、江田神社。
伊耶那岐が左の眼を洗ひしとき
尊き天照が生まれる
*天照 天上の高天原の支配者。
私たちの太陽(アマテラス)はどこへ行ったのだ?
日本人の原像がまざまざとよみがえる。
日本最古の史書『古事記』に登場する神々の世界を詠う、他に類を見ない叙事的な歌集。叙情的な文語と明快な口語を絶妙に組み合わせながら、神々の悲哀と愛憎をつぶさに表現する。
日本の神々は、民と交わり、民とともに働き、人間同様死にゆく存在でもある。
王国の成立と興亡の歴史が秘められた『古事記』の世界を、人々の悲しみと喜びを歌で再現。日本人の原点の物語を連載でお届けします。
なんといふわが身のひどい穢れよ
川の流れに洗ひすすがむ
筑紫の国の川の流れに身を沈め
穢れをはらひ身を清めたり
*古事記・伝承地 宮崎市阿波岐原町、江田神社。
伊耶那岐が左の眼を洗ひしとき
尊き天照が生まれる
*天照 天上の高天原の支配者。