【前回記事を読む】ダブルスタンダードは日本だけ?…東京は左側、大阪は右側。日本人独特の“片側にきちんと並ぶ”乗り方とは。

Ⅰ 1メートルの真ん中はどこですか

書かれた文字と会話はどう違いますか

文字を書くという行為と言葉をしゃべるという行為はよく似ていると思われがちですが、実はまったく異なる行為です。私も本を自分で書いてみて、よくわかりました。

でも実際に本を書いた経験のある人なんて一割もいないですから、誤解されています。

ほかでも書きましたが、文字は発明されてから何千年もたちますが、まったく古くならず、最新の情報を伝えてくれたり、小説などで素晴らしいフィクションの世界を作り出してくれたりしています。

書かれた文字は便利な伝達の手段だったり、素晴らしい創造の道具だったりする一方で、多くの人に読まれるため、厳しく評価されます。

逆に言葉による会話は、だれでもできると思われているのと、再現性がないのとで、あまり厳しい評価を受けることがありません。そのため頭のいい人になればなるほど、話があっちこっちに飛び、聞いている人を混乱させることがあります。

とくに頭のいい人は話すときに優先順位を考えることが苦手です。聞いている人が混乱するかもしれないなどとは考えず、自分の頭の中にあることを、片っ端から話そうとするからです。

ですから相手に理解してもらおうと思ったら、まず頭の中を整理してみて、何から話したらいいのか、優先順位をつける訓練をすることが大切です。

こういうふうに話すクセをつけると、いつも頭の中が整理されて重要なこととそうでないことがきちんと分けられるようになります。

そうすると人前で話すような機会があったとき、自分でもびっくりするほど論理的に話せるようになります。そうすると自信もつき、周囲の人からも評価されるようになるのです。