別に、ゴルフでアンダーいくつ、冬山を縦走、アイアンマンレースを完走すべきなど、誰も求めていない。そういう厳しい条件に挑戦するのは、極々一部の少数派である。
企業は、そういう顧客が少ないことを知っている。故に、ターゲットは初心者層なのである。
筋トレも同じだ。毎日、いや、週4回以上スポーツジムに通う時点で、既に少数派なのだ。
コスパの良いサプリメントをセールの時にしか買わないのも少数派だし、もっと言えば、サプリメントなど雀の涙ほどの効果がないと知っているのも少数派なのだ。
スポーツジムの経営者も企業も、私たちを相手にはしていない。
初心者がいかに楽しんでお金を落としてくれるか、これを何よりも優先して、経営を工夫している。
逆に言えば、ビジネスチャンスはそこにある。
どんなジャンルでも、最低限の楽しむための体力や技術の水準が低く、かつ、体力や経験の無さは楽しむために関係なく、ついでにお金を少し出して装備品を揃えれば周囲に一目置かれる。
この状況が最もビジネスチャンスを生むのである。
つまり、初心者にとって、自称上級者のお節介なアドバイスは不要なのだ。ちなみに、その分野で飯を食う個人や企業も心の奥底でそう思っている。
色々な趣味をつぶすのは、発展を妨げるのは、その趣味のマニアやオタクなのだ。
よってあなたがジムで顔なじみになっていても、初心者にしたり顔でアドバイスしてはならない(聞かれたら別だが)。好きな趣味があれば、たとえばガンダムが好きなら、最近好きになった人に古参ぶらない。初心者歓迎を貫くのである。
アルバイトを始めても同じだ。その分野に詳しくない人をバカにしたりカモにしてはいけない。いつか商売を始めるなら、ターゲットは最も数が多い初心者層。これが真理である。
マーケティングや営業に関わる人以外でも、この経験、つまり「最高顧客は初心者」という知識は活きるはずだ。
あなたは初心者ではなくなったが、世間は初心者歓迎だということを忘れずにいよう。