【前回の記事を読む】筋トレで、騙されない自分を確立! 運動と食事の正しい知識が身につく筋トレは、家族や友人を守ることにもつながる

第6章

6-5.初心者でなくなったら?

とはいえ、スポーツジムのターゲットは初心者であることに変わりはない。毎日2時間も狂ったように筋トレする、私やあなたを快く思っていない。

特に日本では、それがあからさまだ。親会社や経営者の交代によって、ダンベルやバーベルが撤去された事例すら、一昔前はあった。

「は? お金払ってジムに来てるのに?」

そう、まったく腹立たしい。筋トレを愛する人々が、憤る気持ちは分かる。しかし、冷静になってここから学べることを考えてみよう。これは、筋トレ事情から学ぶ、これからの人生論だ。

適度にお金を持っていて、ストイックではなく、ゆるく楽しく取り組む人が商売では大事で、優良顧客である。

これが世の中の真実だ。ジャンルにめっちゃ詳しい顧客や、そのジャンルのオタク、細々した要求をしてくる熱心な客はお呼びでないのである。ほどほどに利用してくれる人を企業は求めている。

この優良顧客の興味関心が、スポーツや芸術、音楽などそのものではなく、ウェアや道具類、サプリメントに向くと、大きなビジネスチャンスが生まれる。

古くからあるスポーツだと、ゴルフがその代表例だろう。最近だとロードバイク、登山やキャンプ、トライアスロンが挙げられる。これらは、最低限楽しむために、必要な水準はそれほど高くない分野なのだ。

ある程度のコースを回れるゴルファー
週末少し遠出するくらいのロードバイク乗り
高尾山くらいなら登れる登山客

キャンプ場でテントを建てて一晩過ごせるキャンパー

これくらい出来れば、趣味だと公言できる。