この世は心の鏡だから内面がそのまま現実に映し出される。祈りで全てをすでに与えられている事を知れば、安心でき苦しみから解放されるかもしれない。

ただエゴは神が嘘つきで信用できないと疑っているので、常に不平不満を増大させているのが、私たちだと話してくれた。

お互いに昼の軽食とコーヒーを注文し、ガラス越しに公園が見える席に座った。夏休みも、もうすぐ終わる頃で、最後の思い出作りに来ている家族連れが多く見えた。

それを見て不意に、私を産んだ両親を思い出した。不幸な事故だったが、心の奥底に悲しい記憶として蓋をし、間違っても出てこないように、閉じ込めていた「どうして両親の姿は観えないのだろう……」。いや、私が見たくないと、思っているのだと感じた。

注文したサンドイッチは、イギリススタイルで手軽なバランス食といった感じだ。

味はもちろん美味しい。全粒粉のパンに、サラダとチーズ、ニシンの燻製がサンドしてある。照史はホットサンドを食べていた。

しばらく食事を楽しんだが、その先の話が聞きたくてウズウズし、サンドイッチをアイスコーヒーで一気に流し込むと、照史はその子供じみた仕草に笑っていた。

照史は自分の思考が外側の世界に映し出されることに気が付けば悩みも減るだろうと言う。仮に自分で自分を罪だと思っていたら、周りの人にも罪だと言われる。