【前回の記事を読む】「尋常じゃないから救急車を呼びましょう」帰宅後、胃の激痛に耐えられず妻に病院に連れて行ってくれと頼んだが、彼女は――
第1章 突然の発症、そして緊急手術
救急搬送から救命室
救急車に初めて乗りましたが、激痛で周りを観察する余裕はありません。早く到着してくれと、祈るばかりです。
最初に運ばれたのは、自宅近くの総合病院です。
そこでCT画像検査の結果、医師から、
「うちの病院では手に負えません」
と言われ、すでにいろんな病院に連絡されていました。
やっと受け入れてくれる病院(有名な総合病院)が決まり、また救急車に乗せられて指定された総合病院に向かいます。早く到着してくれと、祈るばかりです。
24時ちょっと前でしたか、やっと到着して救命室に運ばれました。
救命室は、応急処置をして緊急手術をするのか、入院または帰宅させるのかを決める場所ですが、さながら映画で観た『野戦病院』のようです。ベッドは無造作に縦、横、斜めに置かれ、救急車で運ばれた方々のうめき声が、あっちこっちから聞こえます。私はベッドが空いていないので、床にビニールシートを敷いた上に寝かされていました。
胃の激痛は絶頂に達し、医師に何度も哀願しました。
「もっと強い鎮痛薬を投与してください」
しかし、医師はその都度、
「これが一番強い鎮痛薬です。これより強いのは医療用麻薬になるので我慢してください」
と言われます。さらに、
「医療用麻薬投与は、全身麻酔が効きにくくなるので我慢してください」
と言われました。
しばらくして、検査が始まります。血液採取、体温、心電図、酸素濃度、血圧、血糖値、移動式CT機器での画像検査です。
4時ごろでしたか、私を手術する副担当医師(女医さんです)が面会に来られて、手術についていろいろと説明されていましたが、よく覚えていません。
副担当医師には、当惑する妻のケアなど細やかな配慮をしていただきました。
6時ごろになって、やっとムダ毛を処理され手術着に着替えさせられ、手術は7時からおこなうと告げられます。手術への恐怖などありません。早く何とかしてほしい一心です。移動式のベッドに移され、何か処置をされたような気がしますが覚えていません。
病院の通路を通って、エレベーターに乗って手術室に行ったのは微かに覚えています。もうそのときは、意識が朦朧としており【痛み】は感じません。
やっと緊急手術が始まります。