【前回の記事を読む】【ノンフィクション】61歳でスキルス胃がんを発症――手術や治療に悪戦苦闘しながらも、奇跡的な復活を遂げた、8年間の闘いとは

第1章 突然の発症、そして緊急手術

胃がん発症

訪問すると医師から、

「悪性リンパ腫です」

と告げられました。看護師の方が3人おられましたが、皆さん私に目を合わせてくれません。

頭の中が真っ白になりましたが、大学病院を紹介され、後日ドキドキしながらそのまま入院覚悟で大学病院を訪ねます。

大学病院を訪ねた初日に、いろんな検査をしました。特殊な項目での血液検査、CT画像検査、骨髄液を採取しての検査、後日にPET検査です。

結果は、他の部位には転移していませんでした。

この悪性リンパ腫は、発症から約11年が経過しましたが、まだ再発していません。

大学病院の担当医師は、

「悪性リンパ腫の原発巣げんぱつそう(最初にがん(腫瘍)が発生したところ)を取り除いているので、再発しないと治療はできません」

と言われます。

私も納得して3ヵ月ごとに、特殊な項目での血液検査とCT画像検査で経過観察となりました。

ところが2014年12月、CT画像検査で胃の幽門(ゆうもん)部、胃壁の厚みの中に腫瘍のようなものが見つかり、詳しい精密検査をおこないました。

【超音波内視鏡下穿刺(かせんし)吸引法】(超音波内視鏡を使って腫瘍に細い針を刺し、腫瘍細胞を回収しての検査、回収した腫瘍細胞で組織検査をおこない診断する)での検査です。

検査の結果は良性でしたので、3ヵ月ごとの検査で経過観察となりました。