2015年6月の検査では何も変わらず異常なしで、次回の検査は9月3日でした。ところが、突然8月15日に胃壁が破れて救急搬送されたのです。18ヵ月間変化のなかった良性の腫瘍が、スキルス胃がんに変化して、たった3ヵ月で暴走的に進行したのです。
当時、仕事上でストレスを感じていましたので、免疫力が低下して、細胞の中で突然スキルス胃がんへのスイッチが入ったのでしょうか。
話を、スキルス胃がん発症に戻します。
8月15日は送り盆です。親戚が集まり18時ぐらいから飲食をしておりました。食べ始めたころは異常なかったのですが、そのうち胸がムカムカして目の前の料理が食べられなくなります。
すごく気分が悪くなってきましたので、女房に自宅に帰ろうと相談してすぐに自宅に戻ります。自宅では休んでいたのですが、どんどん胃が痛くなりそのうち耐えられないほどの激痛に変わりました。
女房に病院に連れて行ってくれと頼みますが、女房は、
「尋常じゃないから救急車を呼びましょう」
と言います。
自宅の前でサイレンの音を鳴らされるのはね~と救急車を呼ぶのは躊躇していましたが、今までに経験のない激痛に耐えられなくて結局、救急車をお願いしました。
スキルス胃がんとは
スキルス胃がんは、胃にできる悪性腫瘍の一つです。胃がんの中だけではなく、人が発症するさまざまながんの中でも難治(なんち)性のがんです。スキルス胃がんは、胃壁や胃の組織にしみこんでいくように進行し胃壁が硬く厚くなります。
スキルスとは、「硬い腫瘍」という意味のギリシャ語で、【硬がん】などと呼ばれます。
通常の胃がんとは異なり、腫瘍などの病変をつくらないため、内視鏡検査などでは発見が困難です。また、転移しやすく進行が早い厄介ながんなのです。胃壁の厚みの中に潜(ひそ)み、しみこんでいくように胃全体に広がり、発見されたときには手遅れ状態のパターンが多いのです。