細胞は不思議ですね。
正常な細胞で、定めに従い死滅する細胞、再生する細胞。
異常な細胞で、死滅に向かって限りなく増殖するがん細胞。
異常な細胞で、姿を隠し、密かに死滅に向かって限りなく増殖するがん細胞。
これは、タンパク質が組成(そせい)である生物としての人間の細胞が、そんなふうに定められているということでしょうか。それとも、これはタンパク質が進化【変異】した結果なのでしょうか。
今から思うと胃壁が破れたのが、スキルス胃がんとの闘いの中で最初のラッキーだったなと思っています。
たった3ヵ月で胃壁が破れました。3ヵ月前の精密検査では、異常はなかったのです。
つらい思いはしましたが、胃壁が破れたおかげで早期に発見することができたのです。
スキルス胃がんの特徴は、胃壁の厚みの中でしみこんでいくように胃全体に広がりますが、私の場合は横に広がらず、縦に広がって胃壁が破れたのです。
もしも横に広がっていたら、気づくのが遅れて手遅れになっていたでしょう。