定年後元気なのは妻が難病を発症したおかげ

その後の人生ですが、私の定年退職半年前、妻が難病を発症しました。パイロット時代のさまざまな経験を思い出し、難病治癒という未知の難題に果敢に挑戦し、ついに治癒させることに成功しました。

7年間入退院を繰り返し寛解で退院したときも床に伏す時間が多くありましたため、家事全般を手伝いました。その合間に難病治癒の方策を見出すべく調べることが膨大にあり、おかげ様で退職後も退屈する暇がありませんでした。

元気に80歳を過ぎた今を楽しむことができているのは、妻の病気を二人で一緒に乗り越えるチャレンジに取り組めたおかげであると感謝しています。

妻の病巣がなくなり、主治医から治癒していると告げられた前後の2010年から、より深い栄養学の習得を目指してアメリカコロラド州デンバーにありますNTI(栄養療法大学)の通信教育を受講しました。無事2年間の教育を修了し、2012年栄養コンサルタントの認証を受けました。

そして、妻の難病治癒体験を病気で苦しんでいる多くの皆さんにご披露し、少しでも参考にしていただければありがたいと思い本の執筆を決意した次第です。

ヒトは十人十色でまったく同じ人間は存在せず、人体の中身もまったく違う場合がほとんどです。でも似た部分は少なくないはずですので、参考になることも多いのではないかと思います。

困難と思われる未知の事柄に遭遇しても、決して諦めずチャレンジを続けるならば必ず解決の糸口が見出せると思っています。

この本は、現代医学の医師から「原因不明であり一生完治せず、間もなく車椅子が必要になり、その後寝たきり状態になる」と宣告された、国の特定疾患に指定されています“多発性硬化症”を克服した体験記です。

過去に一度も聞いたことのない病名であり、症状があまりにもひどく、本人はもとより家族たちもただただ困惑して右往左往するばかりでした。

しかし、私は諦めずに「不明」といわれた原因を追究し続け、発病から10年が経過した2010年MRI検査後の画像を見た主治医から「これは治癒しています」と告げていただきました。