【前回の記事を読む】好き、嫌いを別にして北朝鮮と韓国と友好国として付き合うべきだがその一方で彼らの特徴と特性をよく見据えて付き合う必要もある

第1章 テレビに映る日本の風景と周辺国の文化と特徴

固有の地政学から発想するロシア その①

いまの世界の人たちは、ロシアのウクライナ侵攻をテレビで見聞きし、うんざりした気持ちになっています。21世紀になってもこのような悲劇が起こる事に多くの人たちは不安を通り越し、怒りを感じている人も多いと思います。

紛争の発端はロシアのウクライナ侵攻にあります。だが、ロシアの主張は、「ロシアとウクライナは元々同じ民族で国土も共有していたが、最近のウクライナの独自な言い分はロシアの安全に支障をきたし、黙認する事が適わない」とする主張になっています。

一方、ウクライナの主張は「ウクライナはロシアと地続きにあるが、ウクライナは独自の民族であり、ウクライナの反戦は自国の領土と自由を守るためのもので、ロシアの干渉は許されるものでない」とする内容になっています。

双方の言い分は、根っこの部分に違いがあります。隣国同士が紛争を起こすと、当初スムーズにいっていた双方の関係が根っこの部分で拗れるようになり、解決が難しくなります。

ロシアは世界一広い国土を持つ国です。その分隣国へ気を使う事になります。自国の領土の保全のためロシアは昔から周辺の国々と友好関係を維持する必要があり、ウクライナはそれを象徴する国になります。

その一方でロシアは、周辺国を吸収、合併して世界一の領土保有国にもなっています。このロシアの地政学に基づく「二面作戦」をいまでも繰り返し続け、二面作戦はロシア固有の文化となっており、ロシアが世界一の広い領土を保有する事が出来た要因になっています。

周辺国との友好と吸収の二面作戦で外交を行っていたロシアですが、いまの世界は技術が発達しています。ロシアは寒冷地でも穀物の生産が世界一となり、更に豊富な石油や天然ガスの埋蔵を確認した事から、ロシアは、いま迄の守りの地政学を一転させ、強気の作戦に切り替えています。

ロシア・プーチン大統領は、周辺国に気を使っていたロシアの慎重な姿勢を強気に転じさせ、周辺国に文句の一つもつけて吸収合併を目論み、それがいまのウクライナ侵攻の実体です。