【前回の記事を読む】中国社会は混乱に陥るだろう。――中国指導者の“矛盾”。指導者が中華思想にプラスして、儒学政治で国内統治を行うことで…
第1章 テレビに映る日本の風景と周辺国の文化と特徴
辺境の国・韓国 その①
だが、大国である筈の中国・中華の実情は、紀元前の221年の漢の時代に周辺国から滅ぼされています。漢の後の宋、遼も繰り返し他国から侵略されています。中国は昔から大国・中国のイメージがありましたが、同時に中国は形だけの大国である面も併せ持っていました。
その隣国にあって、中国を気にし、いつも右往左往する周辺国の朝鮮民族。これは、朝鮮半島の地政学条件から生じています。現在も朝鮮半島が3極からなる辺境の風景の構図に、改めて驚かされもします。
中国を背に行動せざるを得ない北朝鮮は、核実験を行いミサイル発射を繰り返し、自国が軍事「大国」である事を演出しています。
一方韓国は与、野党の政治勢力がいつも拮抗している事から政治や外交が揺れ続けており、日本はその煽りをよく受けています。
揺れる韓国、それとは別にいまの韓国は、過去にない新しい韓国像が浮かび上がっています。最近の韓国人の新しい姿を紹介し、日本人が今後採るべく見方を話してみたいと思います。
辺境の国・韓国 その②
朝鮮半島の南の国・韓国は、現在アメリカと米韓同盟を結び、日本とも友好関係にあり、一方で中国、北朝鮮と対峙する立場を採っています。現在の韓国政府は、独立国として一応自主外交の政治を行っています。
だが、日本とは過去に外交決着した歴史問題を蒸し返したり、反古にしたりの蒸し返し外交を行っています。韓国は徴用工問題で日本と外交交渉で一度決着をつけた筈です。だが、韓国政府は政権が変わると前政権の約束を反古にしたり、賠償金の上乗せを要求したりもします。
変化するのは外交だけではありません。内政でもよく変わる政治を行っています。韓国は5年に一度の大統領選挙を実施していますが、選挙で新政権が誕生すれば、必ずと言っていい程前政権の大統領や有力者を起訴し、そしてほとんどの人が有罪になっています。
約束した外交を反古にし、選挙で政権が代われば、前政権の大統領等の起訴を繰り返す韓国。日本人から見れば異常な振る舞いに見えますが、当の韓国人はそうでもなく、自分たちや自国に不利なものは、過去に約束したものでも「いま」の視点で見直すのが当たり前とする考えがあります。
日本人も、「いま、ここの精神」で行動する処があります。日本の米作りは、四季の変化に応じて農作業を行う必要から、忙しい春の種付けや秋の収穫時は皆が協力をし合い、人々の間に和の精神、絆社会が育まれる必然性がありました。
天候に左右される農作業は一方で、人々を「いま、ここの精神」にさせるものです。