日本の対抗策は?
日本は貴重な人材パワーをもっと大きな変化をもたらすことに使うべきと尼崎氏は指摘する。ドイツのIndustrie4.0に対抗する手段の一つが、ECM軸での一気通貫を軽量3D活用で実現することだというのである。
なぜなら、日本の製造業はITインフラにはあまり投資をしないため、性能の低いPCが多く、巨大な3D CADデータの活用が進んでいないからだ。こういった日本の環境ではECM軸を強化するには、3D CADデータを軽量化するXVL技術が有効だ。
設計・生産・販売・保守・サービスといったECM軸において、3DデータのXVLを一気通貫させ活用することで、データ形式がXVLに統合され、標準化できる。日本の貴重な人材はインフラ問題に悩まされずに、プロセス改革にまい進することができ、Industrie4.0にも対抗できるようになる。
実際、三菱電機・三菱電機エンジニアリングでは、名古屋事業所によるインバータ製品の設計・生産・販売・保守・サービスにおいてXVL活用によるECM軸一気通貫での効率化に取り組んできた(QR08)。
まずPDMにXVLデータを登録し、超軽量なXVLを関連部門から無償ビューワで参照できるようにした。
この結果、高性能なPCを持たないサービス部門でも簡単に3D形状の確認ができるようになり、発注ミスの低減、修理業務の効率化に寄与しているという。3D組立図や組立アニメーション、サービスパーツリストに至るまでECM軸に沿って、XVLの適用を始めている。
これを他の製品や業務領域にも適用していくと三菱電機エンジニアリングの主幹技師長である三田善郁氏は語る。たとえば、工場レイアウトや搬入出の検討に現場でスキャンした3D点群データを活用する、組立性の検証でのVR活用をする、といった適用拡大を計画している。
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