カイト地名は郡上市約四五〇〇の小字のうち「○○洞・ほら」、「○○山」、「○○平・ひら」についで四番目に多く、約二〇〇ヶ所に及びます。
ちなみに岐阜県全体で一〇八五ヶ所ほど、奈良県は五〇〇〇ヶ所余り、千葉県については後述しますが「谷・ヤツ」がカイトと同じであれば五五〇〇ヶ所以上あります。
郡上市において一番多い漢字表記は「会津・かいつ」が九七ヶ所、続いて「垣内・かいと、かきうち」が四四ヶ所、「街津」が一〇ヶ所、「開津」が八ヶ所、「ケ市」が八ヶ所、「カイツ」が七ヶ所、「廻津」が六ヶ所、「谷津」が四ヶ所、「谷通」、「貝津」が各々三ヶ所、「街道・海道・皆津・海津・貝戸・開地」各一ヶ所と全部で一六種類に及びます。
まだ省略型として、「雷垣」、「廻り垣」、「下村垣」等が数ヶ所ありますが、確証がありませんのでカイトに含めていません。範囲を全国に広げると倍以上の表記が見受けられます。
現在収集しているカイト表記を挙げると、郡上市の一六種類以外に、垣戸・垣外・皆戸・皆外・海渡・海外・海戸・海東・開渡・開外・開道・開土・貝渡・貝外・改戸・欠戸・会党・貝内・街戸・貝津・開都・開戸・カイト等があります。
茨城県はじめ関東では谷戸(やと)、谷(やつ)、谷(や)ツと呼ぶ区画もカイトの可能性があります。関市武儀にも谷津と書いてカイトと呼ぶ小字がありますし、郡上市八幡町にも「小谷通」と書いて「おがいつ」と呼ぶカイト地名があります。
【イチオシ記事】帰ろうとすると「ダメだ。もう僕の物だ」――キスで唇をふさがれ終電にも間に合わずそのまま…
【注目記事】壊滅的な被害が予想される東京直下型地震。関東大震災以降100年近く、都内では震度6弱以上の地震は発生していないが...