もしかしたら娘に勘づかれてしまうかもしれないというリスク、そして、その結果、娘にどう思われてしまうのかということも全く考えることなく、ただ単純に娘の裸を見たいという欲求だけで行動していたのだろうか。
やがて、私は着替えの服を全て浴室に持ち込んで入浴するようになったが、この出来事は私を絶望させた。
(こんな人が私の父親なのか……)
(何で、よりによって、こんな親のもとに……)
そして、親からは逃げられない。逃げ場がどこにもないのである。
本来なら、最も自分に近しく信頼したい存在である。
当時、中学生だった私にとって、人生はまだ始まったばかりである。
これから先の人生は、気が遠くなるほど長い時間に思えた。
その永遠に続くのではないかとも思えるような長い時間を、ずっとこんな親と付き合って生きていかなければならないなんて……。
まさに生き地獄に等しく思えた。
いったい、私は、これからどう生きていけばいいのか。
本当に先が思いやられた。
生まれてこなければ良かったのにと思ったし、死にたい気分だった。
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